Yumeville

Holochain財団のインタビューを受けました。

Holochain財団では、世界中の国々でHolochainの普及に貢献しているメンバーのインタービューを行っていますが、この度Yumeville代表の佐藤龍弥がインタビューを受けました。
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記事翻訳
1.あなたのバックグラウンドについて教えてください。
(Can you share about your background?)
東京都生まれで、父の仕事の関係で学生時代の大半を海外で過ごしました。
大学時代には、起業家コースを専攻し、プログラミングを独学で学びながら友人の紹介もあり日本のFIN/SUM WEEK 2017 アイデア・キャンプで、dAppsを活用した個人情報の管理システムを発表し、日経新聞特別賞を仲間と共に受賞しました。
また、フィリピンのブロックチェーンがベースのプロジェクト(Loyalcoin)とも親しくなり、Cebu島でのブロックチェーンカンファレンスなどにも参加し、その頃から分散型アーキテクチャに興味を持つようになりました。
その友人がHolochainに心酔していて、彼の影響もあり、その後Holochainの魅力に取りつかれました。
大学卒業後、直ちに日本に帰国してソフトウェア開発会社(現:株式会社Yumeville)を起業しました。
会社を設立してからは、モバイルアプリやウェブアプリ全般を、フィリピンのチームと開発しながら、日々Holochainのアーキテクチャを研究しています。
直近では、Holochainを活用した新しいコンセプトに基づいたSNSを設計しています。
また、日本人の方にHolochainを分かってもらうためにもガイドブックやインストール手順を翻訳しています。

2.Holochain(フレームワーク)にワクワクしているのはなぜですか?
(Why are you excited about Holochain [framework]?)
Holochainのテクノロジーの深さ、知的レベルの高さを知り、そして時代がパラダイムシフトしている局面に遭遇して、毎日がワクワクです。
ユーザー(エージェント)を中心に実現しようとしているエコシステムの未来への大きな可能性にも共感しています。
日本でここ数年、反響を呼んでいる個人情報の扱いをHolochainをベースに大転換を図れることが分かり、それを前提にしたシステム設計をしています。

3.Holo(クラウドホスト)を押す理由を教えてください。
(Why Holo [cloud marketplace]?)
他の国でも同じようなこと、もっと進化したことはあるかもしれませんが、わが日本では近年、電力自由化という時代の潮流に乗り、自宅屋根に設置した太陽光パネルでの発電から生まれた電力の余剰を売電する動きが定着しつつあります。
これは再生可能エネルギーとして環境にやさしい、非常に効率的な未来の一つの姿ではないかと思っています。世界中で起きているシェアリングエコノミーが日本でも徐々に取り組まれているということです。非常に素晴らしいことだと思います。
私は、これとHoloを重ね合わして観ています。大企業が牛耳って全てのアプリをホストするのではなく、1人1人の力が合わさりresilienceの高いクラウドホストネットワークを構築できるこのプロジェクトは我々が日々使っているアプリのネットワークを根底から覆すものとだと思います。
ビジネスモデルとしてもHoloFuelには大変興味がありますし、現在開発中のプロジェクトやこれから開発されるhAppsのビジネスモデルにも非常に興味を持っています。
早く1台欲しい!

4.他のプロジェクトではなく、Holoのコミュニティワークをしようと思った理由は何ですか?
(Why did you choose to get involved in the community work of Holo, as opposed to other projects?)
日本では、2014年辺りから企業の個人情報の扱い方がネット上で問題視され、企業による中央集権的な個人情報の蓄積、そしてそれの商用利用に疑問の声が上がるようになりました。
その顕著な例として、大手ビデオレンタル店の一方的とも言える個人情報の販売があります。そこに対して注目が集まったのは、利用規約の一方的改編と共に個人情報を収集した時の目的とは全く異なる目的で、常軌を逸した第三者への販売があったからです。
2017年2月、内閣官房IT総合戦略室のデータ流通環境整備検討会では「AI、IoT時代におけるデータ活用WG中間とりまとめ」にてパーソナルデータを含めた多種多様かつ大量のデータの円滑な流通を実現するためには、個人の関与の下でデータ流通・活用を進める仕組み(情報銀行等)が有効との見解が出ており、現在、巨大IT企業の規制も視野にいれた法整備が行われようとしています。
2019年4月25日の大手新聞朝刊によれば、「政府は個人情報保護の観点から2020年までに巨大IT企業の規制も視野にいれた法整備を行う」とあり、EUの一般データ保護規則(GDPR)等を参考にして、政府は個人情報の保護は国家的命題と捉えているということです。
従来からこうした個人情報は中央集権型サーバへ格納されており、ハッキングにより外部流出することも多くここに大きな問題がありました。
時代を遡れば、メインフレームコンピュータ時代の不自由さを払しょくしたイーサネット、インターネットは自由こそ手に入れましたが、それと引き換えに外部からの攻撃にさらされることとなりました。
インターネットは本来ならばオープンで誰もが国境を越え自由にアイデアやopportunityを共有できるプラットフォームとしてenvisonされました。しかし、現在はそうではなく、少数の大企業が「無料サービス」という名の、我々の個人データを人質にし我々の知らないところで商用化されています。Holo,そしてHolochainはまさに本来のインターネットの夢を実現しようとしていると僕は感じています。
これがholoを含めたhApps(分散型サーバ)技術の未来に、大きな期待が集まる理由と考えています。

5.君の考えでは、Holo及びHolochainが成功するために一番大切なことは何ですか?
(From your perspective, what do you think is important for the success of Holochain and Holo?)
日本国内に限っては、独特な国内事情となりますが、言語の壁を越えることが、まず重要と思います。
当社はHolochainの専門的な書籍を近い将来出版する予定ですが、日本ではまずここが重要となります。
Holochainに関して良質な書籍がどれだけ出てくるか、どれだけ活発なコミュニティが立ち上がるかが一番大切と思います。
世界を観た場合、Holochainの哲学や崇高な理念も重要ですが、やはりHolochainの有用性、有効性を実証するサービスやプロダクトを世に出すことが1番Holochain及びHoloの成功につながるのではないでしょうか?

6.Holoのコミュニティに貢献する上での経験について教えてください。何が簡単で何が難しいですか?貢献するうえで学んだことは何ですか?あなたの声は聞こえてると思いますか?
(What has been your experience with contributing to the Holo community? What has been challenging? Easy? What have you learned in the process? [Do you feel heard?])
今現在は様々なHolochainやHoloについての情報を翻訳していますが、良い意味で情報が膨大で追いつくのに頑張っています。
Holochainの概念やポリシーを正確に翻訳し、日本の技術者が無駄に迷わないように心がけていこうと思います。
YumevilleのホームページやTwitterまたHolochain Forumにて地道なHolochainの情報発信をしていきます。

7.Holoプロジェクトに関わる上で他とは違うなぁと感じたことは何ですか?
(What feels different in your experience with the Holo project?)
Holochainは単なる技術ではなく、人と人との係りを変え、超新の経済モデルを全世界に導入する哲学と言えます。
ほとんどの皆さんは私より年上ですが、皆さん凄くアグレッシブで、理想を目指して走っている感じが、頼もしいです。また、国境を越えたプロジェクトであるため、いろいろな国でみんながHolochainを広めようとしているのを見ていると本当にワクワクしますし、そこが一番他のプロジェクトと違うところではないかと思います。

8.これから、holochainlコミュニティに関わろうと思う人たちにアドバイスをお願いします。
(What advice would you give to others coming into the Holochain community?)
若い私が言うのもおこがましいですが、テクノロジーの歴史を研究する限り、技術革新は一朝一夕で行えるものではないと思います。
また、日本人技術者には言葉の壁もあり、他の今までの革新的な最先端IT技術と同様でHolochainの難度は決して低くはないです。
しかし、Holochainは時代を変え、歴史を変える技術で、ボトルネックのない高速で安全な分散型ネットワークを実現できるのです。
「Yumeville」という社名は私の造語ですが、”みんなの夢が集まる集合体”という意味になります。

会社は東京品川にあり、窓の下には遠い昔、江戸(東京)と京都を結び、たくさんの旅人が往来していた旧東海道が広がっています。東海道五十三次の品川宿になります。
Holochainテクノロジーを多くの人の幸せに結びつけるべく、これから長い道のりに乗り出すのですが、それはたくさんの興奮に出会える旅と同じだと思います。
勇気を出して一緒に進みましょう。

9.コミュニティを大きくするうえで、達成したことやハイライト、これからの目標について教えてください。
(What accomplishments, highlights, or goals would you like to share regarding growing and expanding the community?)
実績
Yumeville WebページにてHolochain情報を発信しています。
Twitterで適時、更新内容をアナウンスしています。
HolochainおよびHoloに関する多くの基本的な質問に答えています。

ハイライト
Rust.TokyoにてRust技術者たちにHolochianを知ってもらえるように準備を始めています。

目標
アクティブな日本の開発者コミュニティを構築し、お互い学び合い、知識とアイデアを共有し、新しいシナプスを作り出し、さまざまなプロジェクトで協力することが可能な素晴らしいものにするため、Yumevilleはコミュニティスペースのファシリテーターにもなります。
数か月内に東京にて国内初のHolochain Meetupを行います。

一流のHolochain技術者を東京2名、マニラ2名、1年以内に養成します。
HolochainをインフラにしたConsistentなSNS「井戸端会議」の構築も目指しています。

 

以上