ホロチェーンはブロックチェーンのように絶対的事実として存在するデータやその時系列をネットワーク全体で保持するようなコンセンサンスは採用していません。その代わり、データを認証するためのバリデーションルールに対してのネットワーク内でのコンセンサンスは必要です。もしユーザーが他のユーザーと別のバリデーションルールでアプリを稼働している場合は別々のネットワークにそのユーザーが存在することになります。バリデーションルールはネットワーク内での「データの物理」を定義するものと考えて良いでしょう。
ホロチェーンを作るうえで我々の目的は「最大限シンプルに」妥当性のあるデータを分散型アプリで保証することです。我々の理解では、情報の妥当性を保証するためにデータの絶対的時系列は必要ないと考えます。なぜ我々がそう言い切れるのかと恐らく疑問に思っているでしょう。答えとしては、実際に我々の周りにある様々なシステムがそのように構築されているからです。つまり、コンピューターの世界の外で稼働している原子や分子、細胞や我々の体は、各ユニット及びネットワーク全体の妥当性をグローバルなコンセンサンス無しに保てているからです。
我々の周りのエコシステムではグローバルなコンセンサンスが無いだけでなく、相対性理論の観点からしても出来事の絶対的な時系列が現実に存在しておらずすべては観察者のバンテージポイントに相対していることも明確になります。
ホロチェーンも同じように設計されています。各ユーザーが自デバイスで保持するソースチェーンは改ざん不可能な妥当性のあるデータを観察者(つまりそのソースチェーンの所有者)からのバンテージポイントから時系列にチェーンにしてあります。そして、各ユーザーがDHTにデータをアップした場合、DNAで生成されネットワークで合意されたバリデーションルール(ネットワーク上の物理)に基づき他のユーザーがそのデータを認証します。
上記(1観察者からのバンテージポイントから生成されるチェーン)の例外となるシチュエーションが1つだけあります。それは、対ユーザーと何かしらの取引をホロチェーン上で行ったときです。この場合、各ユーザーが取引相手のチェーンに取引内容のデータを連署します。これは言わば複数人でのコンセンサンスです。しかし、これはブロックチェーンのコンセンサンスと違い、取引に関わっているユーザー間のみでのコンセンサンスになります。各ユーザーが同一の取引に対して連署をし、その取引は各ユーザーのそれぞれのチェーンに紐づけられます。幸い、ブロックチェーンのコンセンサンスと違い、取引を行っているユーザーだけでコンセンサンスに辿り着くのは比較的簡単なことです。
ホロチェーンは各データの変更及びそのタイムスタンプのサインをします。これは、アプリ開発者分散型アプリを作る上で十分なデータの妥当性を提供しています。おそらくこの土台の上に更に将来の開発者はコンセンサンスアルゴリズムを設計していくでしょう。
しかし、もしあなたのアイデアが「データが絶対的事実として存在するもの」という前提の者で成り立っているものであれば我々はあなたがホロチェーンを使う前にあなたのアイデアを考え直すことをお勧めします。今のところ、グローバルなコンセンサンス又は台帳が必要だと思われている問題に対して我々は何らか別のアプローチを考えられました。また、我々の周りでもグローバルなコンセンサンスや台帳を扱うシステムが存在しないことから、無駄の多いネットワーク上でのコンセンサンスや台帳は無駄なコミュニケーション量や柔いシステムにより失敗に基づくでしょう。